海外旅行へ行く前の遺言(遺言文例 87)
遺言書
第1条 遺言者は、遺言者の有する預貯金その他一切の財産を妻中村真央(昭和25年5月5日生)に相続させる。
第2条 遺言者は、遺言者の死亡以前(同時死亡を含む)に妻中村真央が死亡した場合は、遺言者の有する預貯金その他一切の財産を佐藤静香(久留米市中央町3番地3、昭和49年6月6日生)に包括して遺贈する。
2 前項の遺贈の負担として、佐藤静香は、遺言者夫婦の愛犬ミッキーを引き取り、大事に育てるものとする。
第3条 遺言者は、祖先の祭祀を主宰すべき者として、第1条の場合には妻中村真央を、第2条の場合には前条記載の宮崎静香をそれぞれに指定する。
第4条 遺言者は、この遺言の遺言執行者として、佐藤静香を指定する。
2 遺言執行者は、必要に応じて、執行事務を第三者に委任できるものとする。
付言 私達夫婦は、明日からヨーロッパ旅行に出掛けます。飛行機に度々乗るので、万が一のことを考えて夫婦相互遺言を作成しました。妻もほぼ同じ内容の遺言書を作成しています。恐らく元気で帰ってくるとは思いますが、万が一の際には、静香ちゃんよろしくお願いします。また、旅行で不在時のミッキーの世話もありがとうね。
平成27年5月7日
住所 福岡県久留米市中央町1番地1
遺言者 中村 太郎 印
海外旅行中の飛行機事故などを想定した場合の遺言です。万が一のことを考えて、準備しておくことはよいことです。夫婦二人で行くのであれば、夫婦相互遺言にすべきです。元気で帰ってきた際に、書き換えるなりすればよいでしょう。
上の遺言書は、自筆証書遺言の見本です。全てを自分でペンを使って書き、必ず日付を入れてください。印鑑は認印でも構いませんが、実印が良いでしょう。作成後、封筒に入れて封印をし、妻に預けておくと良いでしょう。
当然、公正証書の原案(下書き)としても利用できます。公正証書遺言が、より安全で安心です。