ペットの飼育を頼む遺言(遺言文例 64)
遺言書
第1条 遺言者は、遺言者の有する預貯金その他一切の財産を、受遺者中村真央(久留米市野中町9番地9、昭和45年5月5日生)に包括して遺贈する。
第2条 受遺者は、この遺贈の負担として、遺言者が飼育している愛犬ミッキーを引き取り飼育するものとする。但し、已む得ない事情のため飼育が困難な場合は、大切に飼育してくれる人を責任もって探すものとする。
2 受遺者は、この遺贈の負担として、遺言者が居住しているアパートの賃貸借契約の解約、アパート内の動産の廃棄処分等、遺言者の死亡後の手続一切を行うものとする。
第3条 遺言者は、祖先の祭祀を主宰すべき者として、受遺者中村真央を指定する。
第4条 遺言者は、この遺言の遺言執行者として、次の者を指定する。
福岡県久留米市中央町38番地23
行政書士 宮崎 信幸(昭和33年3月3日生)
2 遺言執行者に対する報酬は、金30万円とする。執行報酬については、遺言者の有する預貯金から優先的に支出するものとする。
付言 私には兄弟姉妹は一切いません。甥や姪もいません。家族は愛犬ミッキーだけです。恐らく、ミッキーが私より長生きすると思います。私が死んだ後のミッキーのことだけが気掛かりです。真央ちゃんと宮崎先生にはご面倒をお掛けしますがよろしくお願いします。そして、私の葬儀は無理にする必要はありません。また、遺骨は無縁仏でも構いません。ミッキーちゃん、ありがとう、長生きしてね。
平成27年5月6日
住所 福岡県久留米市中央町1番地1
遺言者 佐藤 太郎 印
遺言者の死亡後、犬や猫などのペットの世話を頼む場合に使う遺言です。ペットは人でないので、ペットに相続させたり、遺贈したりすることはできません。世話してくれる人に相続させ(遺贈し)て頼むことになります。相続人や受遺者が責任持ってしてくれるよう、遺言執行者を別の人に頼む方が安心です。
上の遺言書は、自筆証書遺言の見本です。全てを自分でペンを使って書き、必ず日付を入れてください。印鑑は認印でも構いませんが、実印が良いでしょう。作成後、封筒に入れて封印をし、妻に預けておくと良いでしょう。
当然、公正証書の原案(下書き)としても利用できます。公正証書遺言が、より安全で安心です。