廃除を取り消す遺言(遺言文例 80)
遺言書
第1条 遺言者は、長男田中一郎(昭和53年1月10日生)についての廃除を取り消す。
第2条 遺言者は、遺言者の有する預貯金全部を、長女中村真央(昭和45年5月5日生)、次女宮崎静香(昭和49年6月6日生)、三女田中幸子(昭和51年3月3日生)、長男田中一郎の4名に、各4分の1の割合にて相続させる。
第3条 遺言者は、預貯金を除く遺言者の有する不動産その他一切の財産を、三女田中幸子に相続させる。
第4条 遺言者は、祖先の祭祀を主宰すべき者として、三女田中幸子を指定する。
第5条 遺言者は、この遺言の遺言執行者として、次の者を指定する。
福岡県久留米市中央町38番地23
行政書士 宮崎 信幸(昭和33年3月3日生)
2 遺言執行者に対する報酬は、金30万円とする。執行報酬については、遺言者の有する預貯金から優先的に支出するものとする。
付言 一郎については、平成20年3月10日福岡家庭裁判所久留米支部において推定相続人であることを廃除する調停が成立しました。当人は納得できないが仕方ないと考えていたようでした。その後、一郎は山口まりさんと結婚し、まりさんの実家の仕事を手伝うようになりました。まりさんと親御さんの接し方が良かったのでしょう。以前の不良息子の面影はなく、立派な商売人と父親になっています。よって、私もこれまでのことは許して忘れることにしました。娘たちは、一郎を許して見守ってください。天国のお母さんもきっと許しているはずです。
平成27年5月7日
住所 福岡県久留米市中央町1番地1
遺言者 田中 太郎 印
推定相続人の廃除を取消す内容を含む遺言です。遺言者の死亡後、遺言執行者が家庭裁判所に廃除の取消しを請求することになります。
上の遺言書は、自筆証書遺言の見本です。全てを自分でペンを使って書き、必ず日付を入れてください。印鑑は認印でも構いませんが、実印が良いでしょう。作成後、封筒に入れて封印をし、妻に預けておくと良いでしょう。
当然、公正証書の原案(下書き)としても利用できます。公正証書遺言が、より安全で安心です。