推定相続人を廃除したい場合(遺言文例24)
遺言書
第1条 遺言者は、遺言者の三男田中三郎を推定相続人から廃除する。三男はこれまで、刑事事件を4度も起こし、遺言者やその家族を困らせた。また三男は、遺言者やその家族に対し度々暴力を振るい、平成19年正月には、遺言者とその妻に木刀で襲い掛かり、それぞれに重傷を負わせた。
第2条 遺言者は、この遺言の遺言執行者として下記の者を指定する。
記
福岡県久留米市中央町38番地23
行政書士 宮崎 信幸
昭和33年3月3日生
平成27年4月29日
住所 福岡県久留米市小頭町1番地10
遺言者 田中 一郎 印
推定相続人を廃除したい場合に使う文例です。遺言執行者の指定が必要です。相続開始(遺言者の死亡)後、遺言執行者が家庭裁判所に推定相続人廃除の審判申立書を提出します。よって遺言執行者は、弁護士や行政書士などの専門家が適任です。但し、現実として廃除が認められる可能性は低いようです。認められるためには、相当悪質な虐待・侮辱、非行があったことを証明する必要があります。そのためには、その証拠となるものを遺言者が準備しておいて、遺言執行者に渡しておくなどの用意が必要になります。認められなかった場合のことを考えて、相続分をゼロとする遺言を予備的に追加記載しておくのが賢明です。
上の遺言書は、自筆証書遺言の見本です。全てを自分でペンを使って書き、必ず日付を入れてください。印鑑は認印でも構いませんが、実印が良いでしょう。作成後、封筒に入れて封印をし、妻に預けておくと良いでしょう。
当然、公正証書の原案(下書き)としても利用できます。公正証書遺言が、より安全で安心です。