認知して相続させる遺言(遺言文例 74)

遺言書

第1条 遺言者は、下記の者を認知する。
     記
 本籍 福岡県久留米市寺町3番地
 筆頭者 渡辺 佑子
 女 渡辺 さゆり(平成22年2月2日生)

第2条 遺言者は、遺言者の有する下記の預金を前条記載の渡辺さゆりに相続させる。
     記
 福岡銀行 久留米中央町支店にある預金全部

第3条 遺言者は、この遺言の遺言執行者として、次の者を指定する。
 福岡県久留米市寺町3番地1
 渡辺 佑子(昭和53年3月3日生)
 2 遺言執行者は、前条記載の預金債権の解約、払戻し等のほか、この遺言を執行する上での一切の権限を有する。

付言 さゆりは、私と渡辺佑子との間の子供です。佑子には、認知届の提出をお願いします。これまで、周りからの非難を恐れて、言い出すことができませんでした。佑子とさゆりにはすごく苦労を掛けて申し訳なかったと思っています。私が自由にできる預金を渡すことにしました。高校や大学進学の足しにしてもらえればうれしいです。こんな卑怯な父親を許してくださいとは今更言えないことは分かっています。でも、佑子と暮らした3年間が一番幸せでした。今後、正妻やその子供達とのごたごたがあるかも知れませんが、じっと耐えてほしいと頼むしかありません。本当に申し訳ない。

平成27年5月7日

住所 福岡県久留米市中央町1番地1
遺言者  佐藤 太郎 


※補足説明 関連遺言

 認知をして相続させる場合に使う遺言です。認知は遺言でもできます。遺言執行者が届を出すことになります。よって、遺言執行者は、弁護士や行政書士などの専門家がよいかも知れません。

 上の遺言書は、自筆証書遺言の見本です。全てを自分でペンを使って書き、必ず日付を入れてください。印鑑は認印でも構いませんが、実印が良いでしょう。作成後、封筒に入れて封印をし、妻に預けておくと良いでしょう。
 当然、公正証書の原案(下書き)としても利用できます。公正証書遺言が、より安全で安心です。