後妻がいる人の遺言(遺言文例 56)

遺言書

第1条 遺言者の有する預貯金全部を妻田中佑子(昭和32年3月2日生)に相続させる。

第2条 第1条記載の預貯金を除く不動産その他一切の財産を長女佐藤愛子(昭和60年6月6日生)に相続させる。但し、妻田中佑子を生涯、遺言者名義の居宅に無償で住まわせるものとする。

第3条 遺言者は、祖先の祭祀を主宰すべき者として、妻田中佑子を指定する。

第4条 遺言者は、この遺言の遺言執行者として、次の者を指定する。
 福岡県久留米市中央町38番地23
 行政書士  宮崎 信幸(昭和33年3月3日生)
 2 遺言執行者に対する報酬は、金50万円とする。執行報酬については、遺言者の有する預貯金から優先的に支出するものとする。

付言 佑子は後妻として私の家に来ました。愛子はまだ小さかったが、なかなかなつかず、佑子も苦労していたようでした。愛子も成長するにつれ、佑子を頼りにするようになり、本当の親子のような関係となり少しだけ安心したものです。ただ、今後も佑子が経済的に苦労しなくてよいようにと考えて以上のような遺言としました。できれば愛子には佑子を最後まで面倒みてくれるよう願っています。また、佑子も私のように遺言を書いて、残った財産は愛子に行くようにしてくれれば私もうれしいです。

平成27年5月6日

住所 福岡県久留米市中央町3番地3
遺言者  田中 一郎 


※補足説明 関連遺言

 後妻がいる場合に使う文例です。先妻の子供と後妻は仲が悪い場合が多いようです。もし、後妻との間に子供がいなければ、最終的に後妻の兄弟等に財産が行くことになります。どのような内容にすれば、後妻の生活を守ることができて、子供達にも財産を残すことができるか、前もって検討すべきです。よって、事前に行政書士などの専門家と相談されることをお勧めします。

 上の遺言書は、自筆証書遺言の見本です。全てを自分でペンを使って書き、必ず日付を入れてください。印鑑は認印でも構いませんが、実印が良いでしょう。作成後、封筒に入れて封印をし、妻に預けておくと良いでしょう。
 当然、公正証書の原案(下書き)としても利用できます。公正証書遺言が、より安全で安心です。