病気がちな人の遺言(遺言文例49)

遺言書

第1条 遺言者の有する預貯金その他一切の財産は、妹佐藤愛子(昭和60年6月6日生)に包括して遺贈する。

第2条 遺言執行者として、妹佐藤愛子を指定する。

付言 私は職場のいじめが原因で心の病気になりました。病院では、うつ病と診断を受けています。職場のいじめは私が入社した時から始まり、だんだんとエスカレートしました。職場の人は誰も私を助けてくれませんでした。ただ、見て見ぬ振りでした。結局、半年後に自己都合退職扱いで会社を辞めました。退職後、弁護士の先生に相談して、会社の非を認めさせました。しかし、私の心の傷は消えません。仕事をすることも当分できそうにありません。いじめを受けていた当時を思い出すと、体が震えます、涙が止まりません。この病気のお蔭で、たった一人の妹に何をしてやることができません。ただ、私に万が一のことがあった場合は、愛子に渡してやりたいです。今日は、天気がよく、気分も落ち着いていたのでこの遺言を書きました。

平成27年4月30日

住所 福岡県久留米市中央町1番地1
遺言者  佐藤 太郎 


※補足説明 関連遺言

 軽い精神的な病気の人の遺言です。後から、その当時は精神的におかしく、遺言能力がなかったはずだと言われないように、できれば公正証書遺言にしましょう。

 上の遺言書は、自筆証書遺言の見本です。全てを自分でペンを使って書き、必ず日付を入れてください。印鑑は認印でも構いませんが、実印が良いでしょう。作成後、封筒に入れて封印をし、妻に預けておくと良いでしょう。
 当然、公正証書の原案(下書き)としても利用できます。公正証書遺言が、より安全で安心です。