身体障害者がいる場合の遺言3(遺言文例48)
遺言書
第1条 遺言者は、遺言者の有する預貯金の2分の1を遺言者の妹宮崎直子(昭和37年4月4日生)に遺贈する。
第2条 第1条記載の預貯金を除くその他一切の財産を長男宮崎真一(昭和60年6月6日生)に相続させる。
第3条 長男宮崎真一は、前条により財産を相続する負担として、遺言者の妹宮崎直子を、終生遺言者の自宅に無償で住まわせるものとする。
第4条 遺言者は、この遺言の遺言執行者として、長男宮崎真一を指定する。
付言 長男真一にお願いしておきます。あなたも承知しているように、妹直子(あなたの伯母)は交通事故に遭い、外出は車椅子の使用を余儀なくされています。今のところ、家の中での日常生活は一人で問題ありませんが、社会に出て働くことは恐らく無理でしょう。そこで、私の亡き後は、あなたに妹直子を守ってもらいたいと思っています。あなたにとっては伯母ですが、私のたった一人の妹です。将来、あなたの負担が過重になった場合は、妹と相談して介護施設に入れるようにしてください。妹には、そのようにするよう、私からも言い聞かせておきます。
平成27年4月30日
住所 福岡県久留米市中央町38番地23
遺言者 宮崎 信幸 印
※補足説明 関連遺言
身体障害者等の兄弟がいる場合に使う文例です。障害者等と家族の状況によって遺言の内容は違ってきます。どのような内容にすれば、身体障害者等と他の相続人の負担が少なくなるか、前もって検討すべきです。よって、事前に行政書士などの専門家と相談されることをお勧めします。
上の遺言書は、自筆証書遺言の見本です。全てを自分でペンを使って書き、必ず日付を入れてください。印鑑は認印でも構いませんが、実印が良いでしょう。作成後、封筒に入れて封印をし、妻に預けておくと良いでしょう。
当然、公正証書の原案(下書き)としても利用できます。公正証書遺言が、より安全で安心です。