共働き夫婦の相互遺言(夫)(遺言文例31)→妻分
遺言書
第1条 遺言者は、遺言者の有する下記の不動産その他一切の財産を妻中村真央(昭和45年5月5日生)に相続させる。
記
所在 久留米市中央町1番1 宅地 90.00平方メートル
所在 久留米市中央町1番地1 家屋番号 1番1 居宅 木造瓦葺2階建
持分 5分の3
第2条 遺言者は、遺言者の死亡以前に妻中村真央が死亡した場合は、遺言者の有する不動産その他一切の財産を北九州市立大学に包括して遺贈する。
第3条 遺言者は、祖先の祭祀を主宰すべき者として、第1条の場合には妻中村真央を、第2条の場合には宮崎信幸(昭和33年3月3日生、福岡県久留米市中央町38番地23)をそれぞれに指定する。
2 第2条の場合は、○△寺(福岡県久留米市寺町1番地1)に永大供養を依頼し、供養料として金200万円を遺言者の有する預貯金より優先的に支出するものとする。
第4条 遺言者は、この遺言の遺言執行者として、前条記載の宮崎信幸を指定する。
2 遺言執行者は、相続財産に含まれる預貯金債権の解約、払戻し、動産の処分等のほか、この遺言を執行する上での一切の権限を有する。
3 遺言執行者に対する報酬は、相続開始時の遺言者の有する相続財産の合計金額(不動産については固定資産評価額)の3%とし、遺言者名義の預貯金より優先的に支出するものとする。
付言 私達夫婦の間に子供ができなかったことは残念でした。しかし、ものは考えようで、二人だけで各地の温泉巡りや海外旅行が思う存分できたことは楽しい思い出です。私達夫婦、共働きで築いた財産です。よって、兄弟姉妹に渡す必要はありません。この遺言書があれば、私の亡き後、私の遺産をあなたに名義変更するために私の兄弟姉妹等の協力は必要ありません。また、私の兄弟姉妹には遺留分がないので、遺産全てをあなたが相続できるので安心してください。遺言書とは別に、「尊厳死宣言公正証書」を作成しているので、私が不治の病に犯され、意思表示ができなくなった際には、無駄な延命治療などしないでください。現物を見せてその旨、医師にも伝えてください。私に関することで、万が一、兄弟姉妹等から文句が出た場合は、遺言執行者の宮崎先生からも説明をしてくれるよう頼んでください。説明まで含めてお願いしています。
平成27年4月29日
住所 福岡県久留米市中央町1番地1
遺言者 中村 太郎 印
※補足説明 関連遺言
子供がいない共働き夫婦の夫婦相互遺言です。共働きであれば、不動産の名義も共有になっている場合が多いようです。他の兄弟に頭を下げたり、財産分与をしなくて良いように、遺言を残しておきましょう。そして、夫婦二人が亡くなった後のことも決めて、遺言執行者に依頼しておきましょう。
上の遺言書は、自筆証書遺言の見本です。全てを自分でペンを使って書き、必ず日付を入れてください。印鑑は認印でも構いませんが、実印が良いでしょう。作成後、封筒に入れて封印をし、妻に預けておくと良いでしょう。
当然、公正証書の原案(下書き)としても利用できます。公正証書遺言が、より安全で安心です。