特定の宗教を信じる人の遺言(遺言文例 90)

遺言書

第1条 遺言者は、遺言者の有する預貯金の中から金1000万円を、遺言者が信仰する○△教総本山(△■市□×町1番地1)に遺贈する。

第2条 遺言者は、第1条記載の預貯金1000万円を除く遺言者の有する預貯金その他一切の財産を次女田中静香(昭和49年6月6日生)に相続させる。

第3条 遺言者は、遺言者の葬儀の喪主として、次女田中静香を指定する。
 2 遺言者の葬儀は、○△教総本山所定の方法にて行うものとする。

第4条 遺言者は、この遺言の遺言執行者として、次女田中静香を指定する。

付言 私は若い頃から病気がちでした。しかし、○△教を信じるようになってから体の調子も良くなりました。これも○△教総本山の教祖様のお蔭です。また、次女の静香も私と同じ○△教を信じてくれています。今後、私がいなくなっても静香が生活に困らないように残りの財産をやることにしました。次女の静香も遺言を残して、最後は○△教総本山のお役に立てるようにしてください。

平成27年5月7日

住所 福岡県久留米市中央町1番地1
遺言者  田中 幸子 


※補足説明

 信仰の自由は憲法でも保障されています。ただ、特定の宗教によっては家族内に摩擦を起こすことがあるようです。よって、葬儀や埋葬まで特定の宗教のやり方を希望するのであれば、遺言の作成と協力者でもある遺言執行者等が必要になります。

 上の遺言書は、自筆証書遺言の見本です。全てを自分でペンを使って書き、必ず日付を入れてください。印鑑は認印でも構いませんが、実印が良いでしょう。作成後、封筒に入れて封印をし、妻に預けておくと良いでしょう。
 当然、公正証書の原案(下書き)としても利用できます。公正証書遺言が、より安全で安心です。