ないよりましな自筆遺言(遺言文例 81)

ゆ い ご ん

私の全てのざいさんは、つま幸子にそうぞくさせる。

平成27年5月7日

田中 一郎 


※補足説明 関連遺言 自筆遺言書の落し穴

 自筆(証書)遺言は、ないよりましです。上の遺言文例は、最低限必要な内容です。遺言者が全文、日付及び氏名を自分で書いて、押印が必要です。例えば、土日などで公証役場が休みの日に、急に一人で遺言を書きたい(書いてもらいたい)と思った際は、自筆遺言しかありません。ただ、自筆の場合は、裁判所での「検認」という面倒な手続が必要です。検認という手続を簡単に考えている人が多いようですが、決して簡単ではありません。裁判所が、ポンと受付印でも押してくれるような手続ではありません。よって、一度書いた自筆の遺言書は、可能な限り、公正証書遺言に書き換えるようにしましょう。一方、事前に公証役場に相談すれば、土日の出張も可能です。公正証書遺言が、より安全で安心です。公証人の手数料など、検認での労力や心労に比べたら安いものです。タダより高いものはないとよく言います。