賃貸不動産を含む遺言(遺言文例 62)

遺言書

第1条 遺言者は、遺言者の有する次の不動産を長女中村真央(昭和45年5月5日生)に相続させる。
 土地 久留米市中央町1番1
  不動産番号 3101000012345
 建物 久留米市中央町1番地1
  家屋番号 1番1
  不動産番号 3101000023456

第2条 遺言者は、遺言者の有する次の不動産を次女山本静香(昭和49年6月6日生)に相続させる。
 土地 久留米市中央町1番2
  不動産番号 3101000034566
 建物 久留米市中央町1番地2
  家屋番号 1番2
  不動産番号 3101000045677

第3条 遺言者は、前2条記載の不動産を除く遺言者の有する不動産全部を、長男小林一郎(昭和47年1月5日生)に相続させる。

第4条 遺言者は、遺言者の有する不動産を除く預貯金その他一切の財産を前記長女中村真央、長男小林一郎、山本静香の3名に各3分の1の割合にて相続させる。

第5条 遺言者は、祖先の祭祀を主宰すべき者として、長男宮崎一郎を指定する。

第6条 遺言者は、この遺言の遺言執行者として、次の者を指定する。
 福岡県久留米市中央町38番地23
 行政書士  宮崎 信幸(昭和33年3月3日生)
 2 遺言執行者に対する報酬は、金50万円とする。執行報酬については、遺言者の有する預貯金から優先的に支出するものとする。

付言 これまで何とか日々の生活をしてこれたのは不動産収入があったからです。これらの不動産はあなた達のお母さんと私が商売をして貯めたお金で買ったものです。決して、楽して手に入れたものではないことを忘れないでください。今後も、3人がそれぞれの今の仕事を大切にして働き、更に家賃収入があれば人並みの生活はできるはずです。ただ、それぞれの不動産は、多少の評価額や家賃収入が違うかも知れませんが、些細なことで揉めないようにしてください。それと、一郎には先祖の供養もお願いしたので、自宅もやることにしました。わたしもそろそろお母さんの所に行くことになりそうですが、それぞれの家族を大切にして長生きしてください。

平成27年5月6日

住所 福岡県久留米市中央町1番地3
遺言者  小林 太郎 


※補足説明 関連遺言

 賃貸不動産を所有する人の遺言です。不動産の記載は、登記事項証明書で確認して正確に記載する必要があります。どのような内容にすれば、スムーズに後継者に事業承継できるか、前もって検討すべきです。よって、事前に行政書士や司法書士などの専門家と相談されることをお勧めします。

 上の遺言書は、自筆証書遺言の見本です。全てを自分でペンを使って書き、必ず日付を入れてください。印鑑は認印でも構いませんが、実印が良いでしょう。作成後、封筒に入れて封印をし、妻に預けておくと良いでしょう。
 当然、公正証書の原案(下書き)としても利用できます。公正証書遺言が、より安全で安心です。