会社経営者の遺言(遺言文例 54)

遺言書

第1条 遺言者は、遺言者の有する株式会社佐藤商事の株式のうち、その7割を長男佐藤一郎(昭和50年2月2日生)に相続させる。

第2条 遺言者は、遺言者の有する株式会社佐藤商事の株式のうち、その2割を長女田中幸子(昭和48年9月9日生)に相続させる。

第3条 遺言者は、遺言者の有する株式会社佐藤商事の株式のうち、その1割を遺言者の弟佐藤誠(昭和30年8月8日生)に遺贈する。

第4条 遺言者は、祖先の祭祀を主宰すべき者として、長男佐藤一郎を指定する。

第5条 遺言者は、遺言者の有する株式会社佐藤商事の株式を除くその他一切の財産を妻佐藤幸恵(昭和22年2月2日生)に相続させる。

第6条 遺言者は、この遺言の遺言執行者として、次の者を指定する。
 福岡県久留米市中央町38番地23
 行政書士  宮崎 信幸(昭和33年3月3日生)
 2 遺言執行者は、遺言者が借用中の貸金庫の開庫、貸金庫契約の解約、貸金庫内の内容物の受領、株式の名義変更、預貯金債権その他の金融資産の名義変更、払戻し、解約等のほか、この遺言を執行する上での一切の権限を有する。
 3 遺言執行者に対する報酬は、金200万円とする。執行報酬については、遺言者の有する預貯金から優先的に支出するものとする。

付言 佐藤商事は私が一生懸命働いてここまで大きくしました。ただ、仕事以外のことは顧みず、幸恵や子供達に寂しい思いをさせたことは申し訳なく思っています。でも、一郎が会社を継いでくれてほっとしています。また、弟の誠は文句も言わずこれまで会社を手伝ってくれて感謝しています。今後も専務として、一郎を盛り立ててください。そこで、以上のような遺言を残すことにしました。今後も家族と社員を大切にする会社経営をしてくれることを願っています。そして、堅実経営を旨として、地域に貢献できる会社となることが社是であることを一時も忘れないでください。

平成27年5月6日

住所 福岡県久留米市中央町1番地1
遺言者  佐藤 太郎 


※補足説明

 会社経営者が後継者を指定する場合に使う遺言です。どのような内容にすれば、スムーズに後継者に事業承継できるか、前もって検討すべきです。よって、事前に行政書士や税理士などの専門家と相談されることをお勧めします。

 上の遺言書は、自筆証書遺言の見本です。全てを自分でペンを使って書き、必ず日付を入れてください。印鑑は認印でも構いませんが、実印が良いでしょう。作成後、封筒に入れて封印をし、妻に預けておくと良いでしょう。
 当然、公正証書の原案(下書き)としても利用できます。公正証書遺言が、より安全で安心です。