遺言書

第１条　遺言者は、遺言者の有する下記の不動産その他一切の財産を夫中村太郎（昭和４４年４月４日生）に相続させる。
　　　　　記
　所在　久留米市中央町１番１　宅地　９０．００平方メートル
　所在　久留米市中央町１番地１　家屋番号　１番１　居宅　木造瓦葺２階建
　持分　５分の２

第２条　遺言者は、遺言者の死亡以前に夫中村太郎が死亡した場合は、遺言者の有する不動産その他一切の財産を福岡女子大学に包括して遺贈する。

第３条　遺言者は、祖先の祭祀を主宰すべき者として、第１条の場合には夫中村太郎を、第２条の場合には宮崎信幸（昭和３３年３月３日生、福岡県久留米市中央町３８番地２３）をそれぞれに指定する。
　２　第２条の場合は、○△寺（福岡県久留米市寺町１番地１）に永大供養を依頼し、供養料として金２００万円を遺言者の有する預貯金より優先的に支出するものとする。

第４条　遺言者は、この遺言の遺言執行者として、前条記載の宮崎信幸を指定する。
　２　遺言執行者は、相続財産に含まれる預貯金債権の解約、払戻し、動産の処分等のほか、この遺言を執行する上での一切の権限を有する。
　３　遺言執行者は、遺言者の有する不動産全部を任意に売却し、現金化すべきものとする。その際、買主名義への所有権移転登記とその前提としての相続登記において相続人の代理人として申請手続ができるものとする。
　４　遺言執行者に対する報酬は、相続開始時の遺言者の有する相続財産の合計金額（不動産については固定資産評価額）の３％とし、遺言者名義の預貯金より優先的に支出するものとする。

付言　二人の間に子供ができなかったことは寂しかったです。でも、二人だけで各地の温泉巡りや海外旅行ができたことは楽しい思い出です。二人の財産は、共働きで築いたものです。よって、兄弟姉妹等に渡す気持ちはありません。この遺言書があれば、私の亡き後、私の遺産をあなたに名義変更するために私の兄弟姉妹等の協力は必要ありません。また、私の兄弟姉妹には遺留分がないので、遺産全てをあなたが相続できるはずです。どちらが先に逝くか分かりませんが、私が先の場合は、私より若くてきれいな女性と仲良くしたりしないでください。化けて出ますので、気をつけてください。素敵な人生をおくらせてもらってありがとうございました。

平成２７年４月２９日

住所　福岡県久留米市中央町１番地１
遺言者　　中村　幸子　印

※補足説明　関連遺言

　子供がいない共働き夫婦の夫婦相互遺言です。共働きであれば、不動産の名義も共有になっている場合が多いようです。他の兄弟に頭を下げたり、財産分与をしなくて良いように、遺言を残しておきましょう。そして、夫婦二人が亡くなった後のことも決めて、遺言執行者に依頼しておきましょう。

　上の遺言書は、自筆証書遺言の見本です。全てを自分でペンを使って書き、必ず日付を入れてください。印鑑は認印でも構いませんが、実印が良いでしょう。作成後、封筒に入れて封印をし、妻に預けておくと良いでしょう。
　当然、公正証書の原案（下書き）としても利用できます。公正証書遺言が、より安全で安心です。