献体する遺言(遺言文例 93)

遺言書

第1条 遺言者は、遺言者の身体を○○大学病院へ献体する。

第2条 遺言者の遺骨については、○○大学病院に一任する。

第3条 遺言者の有する預貯金その他一切の財産は、○○大学病院(久留米市中央町1番地1)に包括して遺贈する。

第4条 遺言者は、この遺言の遺言執行者として、次の者を指定する。
 福岡県久留米市中央町38番地23
 行政書士  宮崎 信幸(昭和33年3月3日生)
 2 遺言執行者は、遺言者が借用中の貸金庫の開庫、内容物の受領、貸金庫契約の解約、預貯金債権その他の金融資産の名義変更、払戻し、解約等のほか、医療費、公租公課その他の債務の支払い、生命保険の請求手続、年金関係の各種届出に関する事務処理のための経費等を支払うことなど本遺言執行に必要な一切の行為をする権限を有する。
 3 遺言執行者は、必要と認めるとき第三者にその事務を委任することができる。
 4 遺言執行者に対する報酬は、金50万円とする。執行報酬については、遺言者の有する預貯金から優先的に支出するものとする。

付言 私には家族がいません。よって、相続人がいません。お国のものになるより、最後にお世話になった病院に寄付したいです。また、献体については、大学病院の事務局で手続を済ませてあります。死後事務委任契約を宮崎さんと結んでいるので、後片付けをお願いします。

平成27年5月7日

住所 福岡県久留米市中央町10番地10
遺言者  佐藤 太郎 


※補足説明 関連遺言 関連遺言 関連遺言 関連遺言 関連遺言 関連遺言

 大学病院(大学の医学部)に献体する場合の遺言です。ただ、最近は献体希望者の数が多く、受付順番待ちとも言われています。事前に大学病院側に確認してください。また、家族の中に反対者がいると、スムーズに献体できない場合があるようです。よって、事前に家族全員の了解を取っておくことも必要です。

 上の遺言書は、自筆証書遺言の見本です。全てを自分でペンを使って書き、必ず日付を入れてください。印鑑は認印でも構いませんが、実印が良いでしょう。作成後、封筒に入れて封印をし、妻に預けておくと良いでしょう。
 当然、公正証書の原案(下書き)としても利用できます。公正証書遺言が、より安全で安心です。