一般危急時遺言(遺言文例 89)

遺言書

 遺言者中村太郎(久留米市中央町1番地1)は、中央町病院(久留米市中央町3番地3)に入院療養中のところ、重体となり、死亡の危険が迫ったので、平成27年5月7日午後2時当該病院の病室において、後記証人3名の立会いで、その一人田中一郎に対し、次のとおり遺言の趣旨を口授した。

 遺言者は、遺言者の有する不動産その他一切の財産を妻中村真央に相続させる。

 証人田中一郎は、前記遺言を筆記して遺言者及び他の証人に読み聞かせた。各証人は、その筆記の正確なことを承認し、次に署名押印した。

平成27年5月7日

住所 福岡県久留米市中央町10番地10
証人  佐藤 太郎 

住所 福岡県久留米市中央町10番地10
証人  佐藤 三郎 

住所 福岡県久留米市寺町1番地1
証人  田中 一郎 


※補足説明 関連遺言

 病気や老衰などで、死期が迫っている人の一般危急時遺言です。証人には、推定相続人や受遺者等はなれません。作成後20日以内に、家庭裁判所に請求して確認を得なければ効力は生じません。当然、遺言者死亡後は、裁判所での検認手続が必要です。一方、遺言者が自筆証書遺言や公正証書遺言で遺言ができるようになってから、6か月生存すると、この一般危急時遺言の効力はなくなります。よって、症状が回復した際には、再度の作成、書き換えが必要です。その際は、公正証書遺言が、より安全で安心です。