養子に相続させない遺言(遺言文例 70)

遺言書

第1条 遺言者は、遺言者の有する預貯金の中から金300万円を、宗教法人○△寺(主たる事務所:福岡県久留米市寺町1番地)に遺贈する。
 2 第1項の金300万円は、宮崎家の永代供養代に充てるものとする。

第2条 遺言者は、第1条記載の金300万円を除く遺言者の有する預貯金その他一切の財産を、福岡県久留米市に包括して遺贈する。

第3条 遺言者の養子宮崎誠(昭和55年5月5日生)の相続分は、ないものとする。養子宮崎誠については、当人の借金支払や住宅購入資金等として、これまで3000万円以上支出したので、当人の遺留分相当額を満たしているものと判断する。

第4条 遺言者は、この遺言の遺言執行者として、次の者を指定する。
 福岡県久留米市中央町38番地23
 行政書士  宮崎 信幸(昭和33年3月3日生)
 2 遺言執行者に対する報酬は、金50万円とする。執行報酬については、遺言者の有する預貯金から優先的に支出するものとする。

付言 養子に来てもらった誠には残念でなりません。宮崎家の名を残したいと考え、深く考えずに養子縁組をしたことを後悔しています。これまで、借金整理等をどれだけしてやったか、本人は覚えていないことでしょう。しかし、その領収書や借用書はちゃんと保管しています。今回、遺言執行者をお願いした宮崎先生に渡しました。そして、私が死んだ際には、質素な葬儀で構いません。当然、私が死んだということも養子の宮崎誠には連絡も必要ありません。わずかな財産は先に亡くなった夫と二人でコツコツと蓄えたお金です。養子の遊び金に使われるより、世の中のために少しでも役立てて頂きたいと願っています。それでは宮崎先生、よろしくお願いしておきます。

平成27年5月7日

住所 福岡県久留米市中央町1番地1
遺言者  佐藤 由梨絵 


※補足説明 関連遺言

 いいかげんな養子には財産を残したくない場合に使う遺言です。養子縁組をすることは簡単ですが、解消(離縁)するには相手方の了解が必要です。ましてや財産を当てにしている養子がそう簡単に離縁に応じるはずがありません。この事例で、他に子などの相続人がいなければ、遺言がないと全て養子のものとなります。どのような内容にすれば、スムーズに永代供養や寄付ができるか、前もって検討すべきです。よって、事前に行政書士や寺などと相談されることをお勧めします。

 上の遺言書は、自筆証書遺言の見本です。全てを自分でペンを使って書き、必ず日付を入れてください。印鑑は認印でも構いませんが、実印が良いでしょう。作成後、封筒に入れて封印をし、妻に預けておくと良いでしょう。
 当然、公正証書の原案(下書き)としても利用できます。公正証書遺言が、より安全で安心です。